次は「独自の戦略論」を目指したものというカテゴリーで行きます。議論のあるところですが「間接的アプローチ」を提唱したことで外せないのが英国の元軍人でジャーナリスト・戦史家のバジル・リデルハートのもの。新訳がすっきりしてて良いのと、石津先生の解説本も👍。
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「独自の戦略論」というものでしたらリデルハートの影響を受けつつ「コントロール」という概念を全面に押し出して総合戦略を提唱した、JCワイリーによる小生訳のものを。マイナーでしたが最近は戦略論界隈でもその質の高さが認知されつつあります。
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「独自の戦略論」でしたら、やはりルトワックは外せません。戦略の「パラドキシカル・ロジック」を提唱して戦略の考え方に革命を起こしております。ただしこの本は本人も認めているように難解なので、私が訳した『中国4.0』などの解説を読んでいただければ(と宣伝)。
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タイトルは「大戦略」ですが、どちらかといえば戦略の理論そのものに近い議論をしているという点では冷戦史で名高いギャディスのものも外せません。村井さんの訳も良いです。
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次のカテゴリーである「戦略思想史」に行きます。『戦争論』の英訳者の一人であるパレットが編集したこの本は戦略研究の講義ではかならず副読本になる思想家たちに焦点を当てたもの。原著は1986年で若きコンドリーサ・ライスがロシアの戦略思想を担当している点が興味深い。
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日本人の戦史家が書いたものといえばこれ。同じ著者たちだと『失敗の本質』のほうがはるかに有名ですが、戦略論の変遷を追いかけている点ではこちらも見逃せません。
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戦略思想史でしたら下巻でビジネスものもカバーしているキングス・カレッジのフリードマン教授のものも必読。ただし私は読みどころは上巻に出てくる聖書のエピソードの戦略論だと思ってます。来日した時に本人に聞いたらこの本の完成度はあまり評価していない様子でしたが。
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さて、各論に移ります。まずはシーパワーですね。なんと言ってもマハンの主著のこれ。長いし読みにくいので序章だけ読んでもOK。
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マハンはむしろこちらの時事評論などを集めた論考集の方が読み応えあると思います。彼のあまり一貫しない地政学的なビジョンを学ぶ上でも重要です。
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マハンの対抗馬としてはやはりジュリアン・コーベット。主著がようやくまともな日本語訳で出版された時は嬉しかったですね。シーパワーはランドパワーの補完勢力というニュアンスの議論をして英海軍の提督たちにはいたく嫌われた弁護士出身の海軍史家・作家の議論。
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こんな本が出るんですが、叢書パルコマンって、なんというか、時勢を捉えた本をタイムリーに出すよね…… →
コンスピリチュアリティ入門: スピリチュアルな人は陰謀論を信じやすいか (叢書パルマコン・ミクロス) amazon.co.jp/...
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次はエアパワー。これは主に防研の先生たちによる編著の論文集が中心。ちょっと古いですが『エアパワー:その理論と実践』が基礎。
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分野的にはややマイナーで、随分と極端な議論だが、クレフェルトのこの本もエアパワーのコスト面に注目した議論が優れている。
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次はスペースパワー。分野的にマイナーすぎて名著の邦訳はほぼなし。戦略(というか安全保障)に特化したものでまとまったものとしては防研の福島先生のものが唯一では。
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次はランドパワー。まずは現代の陸戦の戦い方のコンセプトの基礎を築いたという意味ではJFCフラーは欠かせないか。
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「大戦略」に寄りすぎだが、ランドパワーの重要性を指摘したという意味ではこの「近代地政学の祖」のマッキンダーの論文集も無視するわけにはいかない。
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次は核理論。パイオニアであるブローディの訳はないので経済学者でノーベル賞も受賞したシェリングのものを。
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